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動的解析化学研究室 Dynamic Analytical Chemistry Lab.

動的解析化学研究室


2021年度競輪の補助により「水と窒化鉄からの常温常圧アンモニア合成法の開発補助事業」を実施しました。

研究室の紹介

研究室概要

これまでに化学を勉強してきた人は、教科書に出てくる物質の中で原子が並んでいる様子を思い浮かべ、また一生懸命に想像力をはたらかせて、見たこともない原子の動きや化学結合が形成される様子などを頭の中で描いてきたと思います。私たちの研究室ではそういった原子の様子やはたらきなどを、自分たちで実際に見ることをめざしています。
無機化合物を中心に、物質の成り立ちと、環境による変化、新しい物質の形成、元素の個性などを、いろいろな工夫をして観察しています。
そうやって物質の世界をのぞきながら、物質の活用法を見出したり、エネルギーを取り出したりなどしています。

現在取り組んでいる研究をいくつかあげると、スクラップ鉄からクリーンエネルギー水素やアンモニアをつくる、産業廃棄物を資源としてよみがえらせる、粘土鉱物を使ったイオン交換反応で環境汚染金属を回収する、原子レベル構造の分析のためのX線装置を開発する、などです。

どのような原子や物質のはたらきがあり、化学反応が起きるかを調べて、反応の条件を検討したり、化学反応をコントロールして原子の組み合わせを替え、新しい物質を開発したり、どのような構造や化学状態の物質が含まれているかを調べて性質や機能を評価したりなどの研究をしています。

研究室の横顔

化石燃料に代わるクリーンなエネルギーの開発や、新しい資源の探索は、人類共通のテーマです。
私たちの研究室では純粋に化学を楽しみ、物質の世界の不思議を探りながら、新しい発見を行い、社会の役に立つ成果へ結びつけることをめざしています。

化学の基本である化学反応のしくみ(反応の速度・メカニズムや物質の変化)を調べたり、物質の評価・解析(構成する元素の種類や化学状態、原子配列の観察)を進めたりすることで、物質の世界の謎を解き明かし、また新しいものを作り出す楽しさを味わっていきたいと思っています。

研究室では普段からゼミや研究発表の機会をとおして、社会人になってから求められるプレゼンテーション能力(説明する力、文章にしてまとめる力)や、じっくり考える習慣を身につけられるようにしています。
研究だけでなくいろいろな経験をすることで、人生を送る上での財産を増やしてもらいたいと考えています。

・2023年10月21-22日  第59回X線分析討論会を本学において開催しました。

https://xbun.jsac.jp/conference/no59.html

お陰様で一般・学生合わせて160名の参加者があり、成功裏に終了いたしました。

研究室の学生たちもスタッフとして、会議の円滑な運営に貢献してくれました。

M2の細井敬泰君とM1の中澤礼香さんのポスター発表が学生奨励賞を受賞しました。(学生奨励賞は口頭講演およびポスター発表それぞれについて審査が行われ、ポスターでは33件の発表の中から4件に授与されました。)

・2023年9月25-29日  今年もさくらサイエンスプログラムのMJIIT学生を受け入れました。
・2023年9月20-22日  日本鉄鋼協会第186回秋季講演大会(富山大学)に参加しました。

学生ポスターセッションでM1の中澤礼香さんが優秀賞を受賞しました。(優秀賞は国内外109件のポスター発表の中から12件に授与されました。)

・2023年9月13-15日  日本分析化学会 第72年会(熊本)に参加しました。

高品質の食塩を製造するための不純物イオンの分析および、鉄粉を用いて効率的にH2生成/CO2固定を進めるための気・液・固相の分析に関する研究発表を行いました。

・2023年7月26日  付属小学校の児童向けに、「水素をつくって電気に変えてみよう」の講座を実施しました。

鉄粉を材料にして水素をつくり、燃料電池で発電してみました。鉄粉のほかに磁石にくっつくものを探したり、酸性とアルカリ性について調べたりもしました。
新しいエネルギーが見えた!かな??

 ★ こちらのページもご覧ください ★「研究内容・テーマ」(付録:研究室所有装置)

主な年間行事

4月 研究室ガイダンス、研究方針ミーティング
6月 世田谷区体験学習教室への協力
7月 研究室対抗野球大会
8月 中間発表会、科学体験教室出展、バーベキューなど
9月 秋の学会参加
10月 仮配属生歓迎会
12月 忘年会
1月 仮配属生卒研テーマ決定
2月 卒業論文発表
3月 春の学会参加、卒業論文提出、卒業生を送る会
不定期 学会参加、各種講習会参加、懇親会 etc.

メンバー紹介

教職員

教授 江場 宏美

大学院生

修士2年 久野 翔大 修士2年 細井 敬泰
修士1年 池部 利彩 修士1年 中澤 礼香
修士1年 深美 慶一

学部生

学部4年 渥美 大空 学部4年 梅沢 健志朗
学部4年 久保寺 雅也 学部4年 黒米 輝大
学部4年 田部井 直紀 学部4年 波多野 希
学部4年 吉田 知世
学部3年 蛭田 章太郎 学部3年 相田 侑ノ輔
学部3年 浅海 優斗 学部3年 片山 穂乃花
学部3年 新保 朋也 学部3年 西 真結子
学部3年 根本 牧江

研究室卒業生・修了生の進路

化学系以外を含む各種業界・業種への就職実績がありますが,研究室での研究テーマに関連する企業に就職したり,テーマに近い研究や業務を就職後も続ける人も多いです。
公務員になる人も一定数います。

~研究室卒業生・修了生の最近の主な就職先~
京セラ(株)、J-POWER ジェネレーションサービス(株)、東京電力ホールディングス(株)、ニチアス(株)、大同特殊鋼(株)、(株)荏原製作所、コニカミノルタジャパン(株)、タカラスタンダード(株)、キヤノン(株)、日産自動車(株)、(株)小糸製作所、大成建設(株)、日機装(株)、浜松ホトニクス(株)、日鉄住金テクノロジー(株)、東京製鐵(株)、日本工営(株)、(株)NTTファシリティーズ、(株)ミツトヨ、(株)東芝、(株)富士電機、三菱電機(株)、三菱電機ビルテクノサービス(株)、TOTOバスクリエイト(株)、(株)ミツバ、ユアサ商事(株)、三機工業(株)、(株)吉野工業所、東邦チタニウム(株)、ドコモ・モバイル(株)
埼玉県庁、下妻市役所、寒川町役場、警視庁、中高教員 ほか
その他、進学

トピックス

2021年

◇鉄鋼スラグを活用する上で問題となる遊離石灰の水和が、共存する複酸化物との間の化学的作用により抑制されることを示した論文
“Change of State of Lime Phase and Inhibition of Hydration Reaction by Coexisting Oxides in Steelmaking Slag”,
Hiromi Eba, Kousuke Yonemoto, Yuuki Suzuki,
ISIJ International, Volume 61, Issue 5, 2021, Pages 1594-1602, DOi:10.2355/isijinternational.ISIJINT-2020-602

https://doi.org/10.2355/isijinternational.ISIJINT-2020-602

◇常温常圧アンモニア生成論文
“Ammonia production using iron nitride and water as hydrogen source under mild temperature and pressure”,
Hiromi Eba, Yuki Masuzoe, Toru Sugihara, Hayao Yagi, Tian Liu,
International Journal of Hydrogen Energy, Volume 46, Issue 18, 2021, Pages 10642-10652, ISSN 0360-3199, DOi:10.1016/j.ijhydene.2020.12.194.

https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2020.12.194

2020年

◇スクラップ鉄から水素エネルギーを効率的に取り出す研究の論文
“Progress of hydrogen gas generation by reaction between iron and steel powder and carbonate water in the temperature range near room temperature”,
Hiromi Eba, Masashi Takahashi, KenjiSakurai,
International Journal of Hydrogen Energy, Volume 45, Issue 27, 18 May 2020, Pages 13832-13840. ISSN 0360-3199, Doi:10.1016/j.ijhydene.2020.03.087

https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2020.03.087.

◆修士2年(当時)の桝添優希君が3月の学会で奨励賞を受賞しました。

日本鉄鋼協会・第179回春季講演大会・学生ポスターセッション(書面審査)「奨励賞」
研究発表タイトル「窒化鉄からのアンモニア生成における温度依存性と炭酸塩の添加効果」

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2019年

◇共焦点型X線回折装置に関する論文の第2報
“Observation of crystalline phase distribution with confocal angle-dispersive X-ray diffractometer”, Hiromi Eba, Yoshihito Kitakubo, Satsuki Awaji, Masashi Takahashi, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B: Beam Interactions with Materials and Atoms, Volume 456, Pages 42-48, October 2019. Doi:10.1016/j.nimb.2019.07.004
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168583X19304859

2018年

◇我々の研究室が世界で初めて開発した共焦点型X線回折装置に関する論文
“Nondestructive Analysis of Depth Distribution of Materials by Confocal X-ray Diffraction”が,Chemistry Letters 2018, 47, 1545. doi:10.1246/cl.180796に掲載されました

https://www.journal.csj.jp/doi/10.1246/cl.180796

◇放射性セシウムの回収・除染に関する論文(物質・材料研究機構との共同研究)
“Versatile chemical handling to confine radioactive cesium as stable inorganic crystal”が,Scientific Reports, Vol. 8, 15051 (2018)に掲載されました

https://www.nature.com/articles/s41598-018-32943-9

◇鉄鋼スラグの活用を考えMgO系固溶体について合成と分析を行った論文
“鉄鋼スラグに含まれるマグネシア相固溶体のX線回折法による分析”が,Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan,Vol.25,2018,p.269-275に掲載されました

◆学部4年(当時)の桝添優希君が3月の学会で努力賞を受賞しました。

日本鉄鋼協会・第175回春季講演大会・学生ポスターセッション
「努力賞」(3月20日(火))
研究発表タイトル「窒化鉄と炭酸水からのアンモニア生成」

◇論文”Observation of Cation Diffusion and Phase Formation between Solid Oxide Layers of Lanthanum Gallate-Based Fuel Cells”が,MATERIALS TRANSACTIONS (Vol.59, Issue 2)に掲載されました

https://www.jstage.jst.go.jp/article/matertrans/59/2/59_M2017257/_article/-char/en

2017年

◆修士課程1年の髙橋良仁君が3月の学会で優秀賞を受賞しました。

日本鉄鋼協会・第173回春季講演大会・学生ポスターセッション
「優秀賞」(3月16日(木))
研究発表タイトル「共焦点型X線回折装置の開発と結晶相分布の分析」

2016年

◇2014年度修士2年路川小百合さん,2015年度修士2年小野篤史君の論文「X線回折法による製鋼スラグ中遊離石灰の固溶度の決定および定量」が,日本鉄鋼協会の学術論文誌「鉄と鋼」(Vol. 102, No. 11)に掲載されました

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tetsutohagane/102/11/102_TETSU-2016-044/_article/-char/ja/

◇「X線イメージング」に関する論文が英国王立化学会の論文誌”Journal of Analytical Atomic Spectrometry”に掲載されました

DOI: 10.1039/C6JA00024J

◇ミツトヨレポートNo.263巻頭言に寄稿しました

https://www.mitutoyo.co.jp/new/report/no263/kantogen/index.html

◇2014年度4年生矢挽喬資君の論文「層状ケイ酸ナトリウム・アイラアイトによるセシウム吸着挙動とその機構」が化学工学論文集に掲載されました

http://doi.org/10.1252/kakoronbunshu.42.1

授業資料のダウンロード
応用化学実験発展  <9.X線回折法による無機物質の同定と評価>
◇◆◇ TiO2 XRDデータ(エクセルファイル) ◇◆◇

Rutile
Antase
Brookite

連絡先: heba ☆ tcu.ac.jp(☆を@に代えてください)
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